それでもなお、今日も私は
はじめまして。AnotherVision 8期のトマトです。
AnotherVisionではデザイン、雑用、謎が解けない人などを担当しています。
さて、このAnotherVision Countdown Calendarという企画、意気揚々と参加してみたはいいものの、気がついたら前日になっていました*1。残された時間や内容の良し悪しなど様々なことを考えた結果、お話しできそうなものは2つ*2しか残っていません。今日はそのうちの1つ、私の趣味について話しましょう。
その趣味とは
喫煙
そう、煙草*3を吸うことです。
・喫煙と私
煙草を吸い始めたきっかけは両親でした。両親が家で煙草を吸う姿を見て、幼き日の私はこう思いました。
「なんか、大人っぽい!!!!」
大人2人が、大人しか入れない場所(台所)で、大人しか吸えないものを吸って、大人の話をしている、これは大人としか言いようがありません。明らかに、圧倒的に大人。
逆説的に、台所で煙草を吸って小難しい話をしたら、それはもう完全に“大人”なのでは?
こうして、幼き日に憧れに近いような感情を抱き、中高時代に煙草の知識を集め、19歳最後の日の23時55分からコンビニで待機して日付が変わる瞬間にセブンスターを買い、時には孤独を感じながらも煙草を吸い続けて今の私があるわけです。
この喫煙という趣味、20歳の誕生日から始めたので1年と5ヶ月くらいは続いているようです。短い気もしますが、私の人生における最長交際期間よりも長く、冷める気配もないので、恋人だったらかなり上手くいっているのではないでしょうか。
1年5ヶ月の間に約30種類の銘柄/フレーバーを吸いました。タール*4の量で区別すれば更に多くなります。1ヶ月に2種類、吸ったことのない銘柄/フレーバー/タール値の煙草を吸っていると考えると、わりと良いペースですね。死ぬまでに、国内で販売されている銘柄くらいはコンプリートできそうです。
趣味としては歴も短く知識も浅い状態ですが、記録がてら現時点で好きな銘柄TOP3を挙げておきましょう。
1位 セブンスター (ボックス*5・14mg)
・初めて買った思い出の銘柄。
・別に7mgでもソフトでもいい。
2位 ウィンストン (ソフト*6・12mg)
・味にクセがないので吸いやすい(気がする)
・パッケージがかっこいい(主観)
・ソフトしかないのとあまり売ってないのが短所
3位 メビウス (ボックス・10mg)
・無個性ゆえの吸いやすさ
・タール、フレーバーの展開が多いので人に勧めやすい(※勧める人はいない)
・煙草と周囲
趣味としての喫煙の最大の欠点は、それを分かち合う友人があまりにも少ないことでしょう。
2019年の統計によると、成人における喫煙率は16.7%とのことです。これでも十分少なく感じられるでしょう。しかしそれだけではありません。
①大学同期に喫煙者が少ない
薬学部だしそりゃそう……そう…………本当か?
元々少ない上に、大学に喫煙所がないので喫煙者がいても分かりにくい。他の大学の話を聞くと羨ましくなりますね。
②AnotherVisionに喫煙者が少ない
本当にいないんですよ。メンバーと会うたびに「成人済みですか?煙草吸いますか?」というアンケートを行っていたのですが、あまりにもいないのでやめました。
そもそもAnotherVision内で現在も喫煙しているという人は私を除いて1人しか知りません。過去に吸っていたらしい人を合わせても片手に収まります。1人倒せば頂点*7に立てる世界、恐ろしいですね。
③謎クラに喫煙者が少ない
ライブハウスには喫煙者しかいないのに、謎解き公演には煙草を吸ってなさそうな人しかいない。
皆さんは聞いたことありますか?喫煙者の謎クラ。サンプルが少ないのでなんとも言えませんが、割合としてはかなり小さいのではないでしょうか。
謎解きの施設(店舗)の横に電話ボックスのような喫煙所を設置したいところですが、TMCの横に設置すれば無数の鎖と南京錠を、ナゾベースの横に設置すれば強力な電子錠をかけられそうです。どちらにせよ閉じ込められたら最後、解錠のためにとてつもなく難しい謎が出され、謎が解けない私は喫煙所の中で息絶えることでしょう。
・煙草と謎解き
せっかく謎解き制作団体に入ったので、煙草と謎解きについて考えてみましょう。
AnotherVision、そして謎クラに喫煙者が少ないという話をしましたが、これは当然といえば当然かもしれません。というのも、
煙草と謎解き、相性が悪すぎる
実際に謎解きのシチュエーションに沿って考えてみましょう。
まずは公演です。ホール型、ルーム型、あるいは他の形式でも、謎解き公演には大抵時間制限があります。よくあるのは60分のものでしょうか。
仮に施設のすぐ横に喫煙所があったとして、閉じ込められないとして、煙草2本を吸う時間を灰皿までの往復時間も含めて5分としましょう。制限時間60分の謎解き公演で謎に詰まり、気分転換に煙草を吸う……
なんということでしょう、制限時間の約8%が失われてしまいました。
謎解きがかなり得意な人ならまだしも、多くの人にとっては痛いタイムロスになります。あと少しのところで失敗したとき、「煙草を吸っていなければ」と思わずにいられるでしょうか。
逆の立場で考えてみましょう。チームで小謎を解いたり、打開策を考えたり、そんなときにメンバーの1人が立ち上がってどこかに歩いて行きます。
何か分かったのかな!? 謎が解けたから何かしらの行動をとるのかな!?
期待してついていくとそこは喫煙所。これでイライラしないことがあるでしょうか。ありません。紛らわしいにもほどがあります。
周遊型の謎解きはどうでしょうか。制限時間というものがない分、公演よりは悪くなさそうです。
謎を解き、街を歩き、謎を解き、街を歩く。少し疲れたから煙草を吸って休憩しようかな……
そんな簡単に灰皿が見つかるわけないだろ。
そう、今や街中に喫煙所などほとんどありません。喫煙所があるとすれば、駅前、大きい商業施設の屋上か地下くらいのものです。
駅や中心地から離れた穴場を巡るような周遊謎に喫煙を挟むとなると、一旦駅や施設まで戻るか、喫煙可能な喫茶店に入るしかありません。それには当然、本来必要のないお金や時間、体力がいります。お金、時間、体力が余っている人でないと難しそうです。
では持ち帰り謎はどうでしょうか。これも時間制限がなく、喫煙可能な喫茶店や家など、煙草が吸える場所に居座りながら謎が解けそうです。うーん、持ち帰り謎を解いていたけど詰まっちゃったな……一服でもしよう……
あっ!!!!!!!
キットに灰が落ちちゃった!!!!!!!!
終わりです。キットもメモも汚れ、更にはその灰が“本当に今落とした灰かどうか”確信が持てなくなります。もしかしたらキットに元々灰が入っていたかもしれない。もしかしたらその灰はネタバレ防止のために“アイテム1”と呼ばれていたかもしれない。終わり。その持ち帰り謎はタンスの肥やしにしかなれません。
このように、謎解きを遊びながら喫煙しようとすると、web謎やLINE謎を目解きするくらいしか方法がありません。
もう1つ、煙草と謎解きの相性が悪い理由があります。
それは、謎解きに関わる人の年齢層です。
謎解きで遊ぶ人の中には、中高生やそれより幼い人が少なくありません。実際、謎解き公演などで子供連れの人を見たことがある方もいるのではないでしょうか。「高度な知識を必要とせず、ひらめきによって問題が解ける」という謎解きの性質上、頭を使う遊びの中では年少者も比較的参加しやすそうです。
年少者が遊ぶとなると、扱えるテーマが絞られます。年少者が触れても良いもの。年少者に悪影響を及ぼさないもの。年少者が最低限の知識を持つもの。
そう、煙草・喫煙は謎解きのテーマ、モチーフとして扱いにくいのです。
では、謎制作者はどうでしょうか。
謎制作団体には学生で構成されたものが多くあります。AnotherVisionもそのうちの一つです。
大学生の団体、サークルだと、半数はいかずとも無視できない割合で未成年が在籍していると考えられます。また、中高生で謎制作をしている人もいるでしょう。
制作側に知見がなければ、やはりテーマやモチーフとしては扱いにくそうです。
謎解きに詳しくない私が少し思考を巡らせただけでも、これだけの理由が出てくるのです。謎解きに詳しい人と対談でもすれば、きっともっとたくさんの相性の悪い理由が出てくるでしょう。
・最後に
この時代に生き、そして薬学部、AnotherVisionにいる以上、煙草は吸わない方が過ごしやすいかもしれません。
それでもこの趣味をやめる気にはなれません。
この趣味はもう、私を構成する要素の一つなのです。
いつか、皆様の趣味とも共存可能になりますように。