なぞときDEデート
こんにちは、AnotherVision7期のなつです。本日は、
「こんにちは、AnotherVision7期のなつです。本日は、よろしくお願いいたします。」
そう言って、彼女は丁寧にお辞儀をした。その立ち居振る舞いからは育ちの良さが感じられた。
「あー、えっと……。同じく、ななせでーす。よろしくねっ!」
対して、七瀬の方はかなり砕けた様子だった。こちらはこちらで、彼女の家庭環境を窺わせる。
「……今日は、俺たち8期生とのコラボということですが、具体的に何をするのでしょうか?」
「あっ!それはですね~……」
「ななせちゃん、ちょっと待ってください。まずは私から説明させていただきます。」
七瀬を制しながら、なつさんは続けた。
「この度は私たちの企画にご参加いただきありがとうございます。私たちは8期生とのコラボとして、2人で1つの謎解きに挑戦していきたいと思っています。」
「なるほど、謎解きですか。それはどのようなものになるんでしょうか?」
「はい、今回の企画は『なぞときDEデート』というゲームになります。これは制限時間内に問題を解き明かして、最終的に相手への告白をするという内容になっています。」
「な、なかなか攻めた内容ですね……。」と思わずつぶやいた。
7期生といえば、あの天宮こころを筆頭に、クールビューティと呼ばれる水守紗英や、ゆるふわ系美少女こと新島芽瑠など個性豊かなメンバーがいる人気グループだ。そんな彼女たちがこんな挑戦的なものを持ってきたのか。
「このゲームではお互いに同じ部屋に入り、一緒に謎を解くことになります。しかし、ただ問題を解いて終わりではありません。実際に告白をしてもらい、その様子を配信させていただく形となります。」
「えっ!?そ、それってもしかして、告白の様子もみんなに見られるってこと……??」
俺は驚いて尋ねた。すると、なつさんは申し訳なさそうな顔をした。
「はい……。でも、これもファンサービスの一環だと思っていただければ幸いです。」
確かに、恋愛リアリティーショーと銘打っている以上、そういう需要があるのだろう。だが、俺にはどうしても引っかかることがあった。
「あの、本当に俺たちが付き合うんですか?」
いくら企画としてあると言っても、実際カップルが誕生するとは考えにくい。しかも、相手は7期生である。
「もちろんです!私たちも全力でサポートしますし、リスナーの皆さんにも楽しんでもらえるよう頑張ります!」
なつさんの目は真剣そのものといった様子だった。本気でやってくれるらしい。
「わかりました。そこまで言うなら、是非とも協力させてください。」
正直不安ではあるが、ここまで来てしまったらもうやるしかない。
こうして、『なぞときDEデート』の配信が始まった。
* * *
【コメント】
:わくわく
:絶対見なきゃ(使命感)
:ドキドキしてきたぁ〜!!
:これは期待大ですねww
:ついにカップル成立かな!?
:初々しく頼むぞwwww
:リア充爆ぜろ
「お待たせいたしました!なぞときDEデート、スタートです!!」
用意された部屋に入ると、鍵がかかる音が聞こえてきた。どうやら、密室に閉じ込められたようだ。俺のペアのなつさんはと言うと……「よろしくお願いしましゅっ!!!」
なぜかとても緊張していた……。大丈夫だろうか……??
数分後
なつ:「こ、この謎は…………4+3は6だから、これで合ってるかな……!?合ってますよね!?」
俺の方を見ながら確認を求めてくる彼女に対し、「あ、あってると思いますよ……」と曖昧な答えしか返せなかった。その後もしばらく問題が続き、なんとか最後まで解けたところで部屋の奥の扉が開かれた。
『クリア!!』
モニターに現れた文字を確認し、俺たちはすぐに次の部屋に進んでいった。
2つ目の部屋に着くと、なつさんは「はいっ!次は私がやります!」と勢いよく言った。少しは緊張もほぐれてきたようだ。そして、すぐに問題を解いていき、「正解っ!!!次行ってみましょ〜」と言いながらサクッと2つ目の部屋を出たのであった。
数十分後
最後の部屋に入った時、急に彼女の顔つきが変わった気がした。先ほどまでの明るく楽しげな雰囲気が消え去り、代わりに鋭い緊張感を纏っていたのだ。それまでは順調に謎を解いていたのだが、ここに来て詰まってしまっている。明らかにいつもと違う様子が心配になってきて、声をかけてみた。
「なつさん?」
すると彼女はこちらを向いたかと思うと、思い詰めた表情のまま口を開いた。
「実は私……あなたが犯人なんじゃないかって思ってるんです。」
……へ?? 予想外の言葉に唖然としていると、続けてなつさんは話し出した。
「私の家族ってみんな仲が良くて幸せな家庭を築いてきたんです。ところが数年前、両親が離婚して私は母親に、妹は父親に引き取られてしまいまして……。それ以来ずっと気になっていたことがあるんですよ。あなたのことなんですけど、以前私と会ったことがありますか?」
はっと息を呑んだ。なつさんの言葉が胸に刺さったからではない。俺の正体が彼女にバレているのではないかと思ったからだ。俺は一瞬返答に迷ったが、このまま黙っているわけにもいかないと思い、ゆっくりと話し始めた。
「そう、俺は……貴方の妹、美波さんの彼氏だよ。」
「やっぱり……。どうして今まで黙ってたんですか?」
なつさんの口調は責めるようではなく、あくまで穏やかだった。俺は意を決して真相を話し始めた。
「俺も君と同じ気持ちだと思ってたんだよ……。まさか、こんなことになるなんて……。」
俺はすべてを包み隠さず説明した。彼女と付き合い始めてからは、彼女の両親との溝を埋めようと必死だったこと、そのことで疲れ果てていたこと、すべてを投げ出したいという感情があったこと、そして彼女が自分にとって心の支えであったこと……。それらを洗いざらい打ち明けた。
「それで、俺は逃げたんです。でも結局何も解決しなかった。逆に自分のことが嫌いになっただけでした……。本当にすみません……」
俺は俯きながら謝った。するとなつさんは、優しい声でこう続けた。
「いえ、いいですよ。ちゃんと話してくれてありがとうございます。それに、もしそうだとしても、悪いのは全部私です。貴方は何も悪くない。」
彼女の言葉を聞いて、涙が出そうになった。自分が情けなくて仕方がなかった。
その後少し沈黙が続いたあと、なつさんは再び口を開いた。
「あの、今更なんですが一つ聞いてもいいですか?」
「はい、なんでも答えます。」
「それでは遠慮なく……美波とはどこまでいったんですか?キスとかしました?」
「え……!?いや、それはまだというか、なんと言うか……///」
急にそんなことを聞かれたので思わずどもってしまった。すると、なつさんはとても残念そうな顔をしていた。なぜ!?
「そうですか……。それは良かったです。」
何が!?
ブーッ 俺の心の中のツッコミとほぼ同時にブザー音が鳴り響いた。制限時間がやってきてしまったらしい。なつさんは、ハッとしたような表情をし、再び真剣な眼差しになると、「じゃあ、また会いましょう」と言って出口に向かって歩いていった。同時に、モニターに『クリア』の文字が表示された。
【コメント】
:まさかの展開だったなwwww
:なんでクリアできてるんだろう……(笑)
:俺の予想だけど、最初の方でミスリードされてたんじゃないかと思うぞ
:なるほど、だから最後の最後に急に素に戻ったのか。謎が解けたら納得するよな。
:これで終わりなのか。あっけないなぁ……。もっと面白い展開を期待していたんだけど……。
こうして、『なぞときDEデート』は終了したのであった。
―――――END―――――
【作者より】
こんにちは、作者の蒼汰です。今回はいつもの『〇〇したら出られない部屋』シリーズとは違う作品を書いてみました。楽しんで頂けたでしょうか。今回の作品は僕自身もすごく気に入っているので、ぜひ皆さんにも読んで欲しいと思います。ちなみに、今回出てきた「なつさん」は実際に僕の身近にいる人をモデルにしています。わかる人はいるかな? これからも色んな作品を投稿するので、暇なときに覗いてみてくださいね。それでは次回の作品までしばしのお別れを。ばいばーい!!
こんにちは、AnotherVision7期のなつです。本日は、AIのべりすと*1を使って、記事を代わりに書いてもらおう*2と思います。
*2:「2人で1つのゲーム」を「2人で1つの謎解き」に書き換えた以外はAIのオリジナルです。すごい!